【1on1】話すことがない30代SEへ|15分で上司に伝わる準備メモの作り方

「来週の1on1、何を話そう」。前日になると、私はこの一言を抱えたまま当日を迎えていました。近況報告だけで15分が終わる。「何のために時間を使ったのだろう」。そんな回が少なくありませんでした。
1on1は、その場で話すネタを考える場ではありません。事前に3行だけメモを用意し、15分で伝える場に変えます。準備は週5分。話す項目は3つまでです。
1on1で話すことがないのは普通のこと
1on1は評価面談ではありません。部下の成長や困りごとの解決を支える対話で、主役は部下側にあります。一般的な解説でも、1on1の主な目的は部下の抱える問題点の把握と、部下が主体となって解決策を検討することだと整理されています(出典:HR Brain「コミュニケーションを円滑にする1on1ミーティング活用法」https://www.hrbrain.jp/media/evaluation/1on1-meeting)。
話すことが思い浮かばないのは、能力の問題ではありません。足りないのは準備の仕組みです。仕事は細切れに進み、1週間分の出来事を面談の場で思い出すのは誰にとっても難しいものです。思い出す作業は面談から外し、メモへ逃がしておく。私はこの形に落ち着きました。
なぜ「その場で考える」と沈黙になるのか
理由は大きく2つあります。1つ目は、仕事の記憶が断片化していることです。仕様の確認、レビュー、障害対応が入り混じる1週間では、「何に困ったか」より「何を片付けたか」が頭に残ります。困りごとは言語化しないまま、次のタスクに押し流されやすいのです。
2つ目は、相談と報告の区別がついていないことです。1on1を「進捗報告の場」だと思っていると、話す内容は「やったこと」の列挙になります。
報告だけなら、面談でなくても済みます。
1on1で価値が出るのは、「困っていること」と「どうしてほしいか」がテーブルに載ったときです。この区別がないまま臨めば、沈黙になるのも無理はありません。
準備メモの作り方:3行テンプレート
準備メモは、3行だけ書きます。書くタイミングは金曜の終業前、時間は5分です。週の終わりなら出来事がまだ新しく、週明けの面談までに内容を忘れることもありません。テンプレートは次の通りです。
- ①今週の進捗1行:片付いたこと、進んだことを1行で書く
- ②困っていること1行:詰まっている点、負荷が偏っている点を1行で書く
- ③相談したいこと1行:上司に判断・調整してほしいことを1行で書く
例を挙げると、「①レビュー依頼が3件重なった」「②1件の締切が翌日に迫っている」「③締切の調整をお願いしたい」といった具合です。3行に絞るのは、面談の15分で扱える量がそれくらいだからです。4行目以降は、次回へ回すか、チャットで済ませる候補にします。
| 準備の仕方 | 所要時間 | 1on1での結果 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| メモなしで臨む | 0分 | 近況報告だけで終わりやすい | 話す内容が常に明確な人 |
| 3行メモを用意する | 週5分 | 相談が1件は前に進む | ほとんどの会社員 |
| 詳細資料を用意する | 30分以上 | 重くなり継続しにくい | 正式な提案・稟議の場 |
15分の話し方:最初に結論、次に困りごと、最後に「どうしてほしいか」
話す順序は、メモの3行をそのまま読み上げる形で構いません。最初に進捗を1行、次に困りごとを1行、最後に「どうしてほしいか」を1文で言います。たとえば、「今週はレビューが3件重なり、1件の締切が厳しくなっています。翌日への調整は可能でしょうか」という具合です。
困りごとは、事実と数字で伝えます。「忙しいです」だけでは、上司は調整のしようがありません。「3件重なった」「締切が翌日」という数字が入れば、具体的な判断ができます。相談は感情を共有することではなく、判断材料を渡すことです。少なくとも私の週次1on1では、この順序で相談が前に進みました。
上司に相談しにくいテーマの出し方
相談しにくいテーマほど、言い換えが効きます。評価への不安なら、「今の進め方で期待に応えられているか、率直な印象を聞かせてほしい」と聞くのが安全です。相手を責める形にならず、具体的なフィードバックが返ってきやすいんです。
キャリアの希望なら、「半年後に挑戦したい領域があり、必要な経験を相談したい」と、未来の話として切り出します。負荷の相談なら、「今週はレビュー3件と障害対応が重なり、残業が増えています。優先順位の見直しをお願いできますか」と、事実と要望をセットで伝えます。いずれ、最後に「どうしてほしいか」を置く形は同じです。
管理人の実例
私の場合、週次1on1の前に金曜の終業前に3行メモを書くようになってから、面談の手応えが変わりました。メモなしで臨んだ回は、「今週は特にありません」で始まり、近況報告だけで終わるのが常でした。レビュー負荷の相談は翌週へ持ち越しになり、結局その週は締切に追われる形になりました。
メモを持っていった回は違いました。
レビュー3件の集中を数字で伝えると、1件の締切を翌日にずらしてもらえたんです。その場で調整が決まったため、翌週の作業計画も立て直しやすくなりました。チームを率いる立場になってからも、自分の1on1では部下側として同じメモを使っています。立場が変わっても、「3行メモで相談を持ち込む」という型は変わりません。
向いていない使い方・注意点
1on1を愚痴だけで終えるのは、もったいない使い方です。不満を並べるだけでは、「どうしてほしいか」が相手に届きません。決まったことを蒸し返すのも同じです。面談の時間だけが減っていきます。疑問があるなら、決まった直後に確認するほうが筋が通ります。
メモを長文にしないことも大切です。3行を超えるメモは、面談中に読み上げるだけで時間が消えます。書ききれない話題は、次回へ回すか、別の手段で共有するのが現実的です。
本記事の内容は、2026年10月時点の私の実践をもとに書いています。
まとめ
- 1on1は評価ではなく、部下の成長と困りごとの解決を支える対話の場です
- 話すことがない原因は、記憶の断片化と、相談と報告の区別のなさにあります
- 準備は金曜終業前に5分、3行メモ(進捗・困りごと・相談したいこと)だけ書きます
- 話す順序は「結論→困りごと→どうしてほしいか」で、困りごとは数字で伝えます
- 次の1on1までに、3行メモを1枚用意します
まずは、その3行からで十分です。1on1の進め方をもう一歩深めたい方は、関連書籍で型を学ぶのも近道です。



























